このあいだSNSで紹介されていたズッキーニを使った料理が簡単で美味しかったので、その料理を見た瞬間に頭に浮かんだ友だちに、これ美味しかったよーとLINEで知らせました。
ずっと前、息子がまだ少年野球をやっていた頃、息子を持つ母親どうし、慰めあったり励ましあったりした、戦友のような友だちです。当時、ときどき彼女のお宅に上がって、ちょっとだけお茶するってことがありました。そんな幾度かのお茶の時に彼女が、おやつなんにもないねんと言って、冷蔵庫にあった、ズッキーニを輪切りにしてオリーブオイルで焼いて塩をしただけの料理を、小さなお皿に盛って出してくれたことがありました。彼女はズッキーニが好きで、ズッキーニをこうやって食べるのが好きなんだと話してくれました。あの頃の私たちが、泣くほど悔しかったり切なかったりしたことの内容はほとんど思い出せないのに、麦茶を飲みながらズッキーニを食べた昼下がりのその時間のことは、きのう読んだ小説のワンシーンくらいの解像度で思い出すことができます。
『結局ズッキーニはカボチャなのかナスなのかキュウリなのか?』と、彼女から返事がきました。前に近所の韓国料理店に一緒に行ったときに、カボチャのチヂミっていうメニューがあって、カボチャをチヂミに?って驚いて注文してみたらズッキーニのチヂミが出てきて、なるほど韓国ではズッキーニのことをカボチャって呼ぶんだねということになったのを彼女が覚えていて、それでそう尋ねてきたのです。私は5秒だけ考えて、『キュウリ的なナス、もしくは、ナス的なキュウリ』『カボチャの要素はゼロです』と答えました。『甘いか甘くないか、で、カボチャじゃないと決めたんやね。賛成です』と返事がきて、彼女のこういうところをどんなだと形容すればいいのか全くわからないけれど、ともかく、私は彼女のこういうところを本当に好きだなぁと思いました。
ちなみにそのSNSで見たズッキーニの食べ方は、そのまま15分ほど塩茹でしてから適当な大きさに切り、塩とオリーブオイルで和え、食べる時にレモンをキュッと絞っていただく、というものです。ズッキーニは油と相性がいいんだよね、そこがナスと一緒だよね、という結論に至って、それから、また近々会おうと言いあって、やりとりを終えました。